上肢装具制御を目的とした筋電処理システムの開発 -装具装着状態と把持状態での判別評価
上肢機能を支配する腕神経叢に過度な衝撃が加わると上肢機能に麻痺が生じる.エルブ麻痺では,手首の動作機能は残存するが,肩と肘に麻痺が生じるという症状があり,日常生活動作が十分に行えない場合がある.本研究では,エルブ麻痺患者のような一部機能を残した症状で能動的に制御できる上肢装具の開発を行った.上肢装具の制御には手首動作時に発生する前腕部の筋電信号を用いて行う.認識する手首動作は伸展,屈曲,尺屈,撓屈,指伸展,指屈曲である.手首動作の認識には教師付き機械学習を用いて前腕8か所の筋肉から筋電を取得し,手首の動作を識別する.今回の報告では,開発したリアルタイム筋電制御システムの判別精度評価を,装具を装...
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Published in | 生体医工学 Vol. Annual59; no. Abstract; p. 395 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本生体医工学会
2021
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Summary: | 上肢機能を支配する腕神経叢に過度な衝撃が加わると上肢機能に麻痺が生じる.エルブ麻痺では,手首の動作機能は残存するが,肩と肘に麻痺が生じるという症状があり,日常生活動作が十分に行えない場合がある.本研究では,エルブ麻痺患者のような一部機能を残した症状で能動的に制御できる上肢装具の開発を行った.上肢装具の制御には手首動作時に発生する前腕部の筋電信号を用いて行う.認識する手首動作は伸展,屈曲,尺屈,撓屈,指伸展,指屈曲である.手首動作の認識には教師付き機械学習を用いて前腕8か所の筋肉から筋電を取得し,手首の動作を識別する.今回の報告では,開発したリアルタイム筋電制御システムの判別精度評価を,装具を装着した状態で検証し,さらに物を把持した状態での判別可能性を検証した.物を把持しない状態では,平均判別率はユークリッド距離(EUC)で51%,マハラノビス距離(MH)で93%,サポートベクターマシン(SVM)で98%の判別率で有意な差が確認できた.教師データと判別データの把持状態を一致させない場合は,未把持状態,把持状態の教師データでSVMの30%と45%であった.一方把持状態を一致させた場合は,その値が87%,93%と上昇した.装具を装着した状態でもリアルタイム制御は可能であった.今後は把持状態と未把持状態で教師データを取得した筋電信号を用いて切り替えるシステムの考案が必要である. |
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ISSN: | 1347-443X 1881-4379 |
DOI: | 10.11239/jsmbe.Annual59.395 |