超音波ボリュームの4次元解析による極細カテーテルの先端位置の推定

カテーテル治療では現在,X線透視画像を用いて誘導しているが,超音波画像を用いることで,患者の負担が軽減される可能性がある.しかし,血管内に存在するカテーテル自体が超音波画像中では認識が困難である.先行研究として,カテーテル先端に搭載したPZTの振動と超音波のドップラーシフトを利用したものがあるが,この手法では挿入可能な血管の太さに限界がある.そこで本研究では,血管内のカテーテル先端から微小気泡を噴出し,その動きをオプティカルフロー法で検出することで,超音波ボリューム中のカテーテル先端位置を推定することを目的とする. カテーテル先端から微小気泡を噴出する実験装置を開発し,超音波診断装置の4Dモー...

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Published in生体医工学 Vol. Annual59; no. Abstract; p. 361
Main Authors 武井, 真輝, 清水, 太一, 小林, 勇太郎, 桝田, 晃司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2021
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Summary:カテーテル治療では現在,X線透視画像を用いて誘導しているが,超音波画像を用いることで,患者の負担が軽減される可能性がある.しかし,血管内に存在するカテーテル自体が超音波画像中では認識が困難である.先行研究として,カテーテル先端に搭載したPZTの振動と超音波のドップラーシフトを利用したものがあるが,この手法では挿入可能な血管の太さに限界がある.そこで本研究では,血管内のカテーテル先端から微小気泡を噴出し,その動きをオプティカルフロー法で検出することで,超音波ボリューム中のカテーテル先端位置を推定することを目的とする. カテーテル先端から微小気泡を噴出する実験装置を開発し,超音波診断装置の4Dモードで撮像した.取得したボリュームデータに対し,輝度の閾値を設けて計算対象領域を限定し,オプティカルフローを計算した.微小気泡の動きを検出したフロー分布から,平均方向ベクトルと分布の重心を計算した.それらから空間的な配置の関係を求め,微小気泡の噴出速度から推定される位置偏差から,カテーテルの先端位置を推定した.噴出速度0.1mm/sの条件で検出を行った場合,3次元座標中での誤差は,(x,y,z) = (2.19, -3.88, -0.38) mmであった.この値は2次元アレイトランスデューサによる焦点サイズよりも十分小さいため,本研究により,提案した手法で生体内のカテーテルを屈曲できる可能性が示唆された.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual59.361