高血圧ケアのためのセルフ加圧型血圧計測システムにおける局所圧迫機構および脈波・加圧力計測法の検討

世界的に循環器系疾患が益々増加しており,その早期発見,予防のためには,日々の継続的な血圧計測が重要となる.しかし,現状の市販血圧計は,カフの装着や全周圧迫による痛みや不快感があり,医療・介護施設,さらには一般家庭においても,計測は大きな負担となっている.そこで本研究では,光電容積脈波・圧力センサが一体となった局所圧迫機構により,ユーザ自身が血管を徐々に局所圧迫するだけで血圧を測定できる,セルフ加圧型システムの開発を行っている.今回,ベッドマットレス内に設置したシステムに,臥位状態にて上腕を押し当てる腕式血圧計測と,手首において触診のように加圧を行う指式血圧計測,以上2つのシステムについて,加圧...

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Published in生体医工学 Vol. Annual59; no. Abstract; p. 546
Main Authors 菅沼, 美季, 本井, 幸介, 望月, 悠佑, 吉田, 圭佑, 山越, 康弘, 山越, 憲一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2021
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Summary:世界的に循環器系疾患が益々増加しており,その早期発見,予防のためには,日々の継続的な血圧計測が重要となる.しかし,現状の市販血圧計は,カフの装着や全周圧迫による痛みや不快感があり,医療・介護施設,さらには一般家庭においても,計測は大きな負担となっている.そこで本研究では,光電容積脈波・圧力センサが一体となった局所圧迫機構により,ユーザ自身が血管を徐々に局所圧迫するだけで血圧を測定できる,セルフ加圧型システムの開発を行っている.今回,ベッドマットレス内に設置したシステムに,臥位状態にて上腕を押し当てる腕式血圧計測と,手首において触診のように加圧を行う指式血圧計測,以上2つのシステムについて,加圧機構や,脈波・加圧力計測方法の基礎的検討を行った.まず腕式では,4個のLEDを四方に,また中央部に2個のフォトダイオード(PD)を配した円形圧迫ユニットに対し,上腕を乗せる.また指式では,1個ずつのLEDとPD,マイコンが一体となった小型圧迫ユニットを手首に押し当てる.健常成人5名を対象とした計測結果から,本システムは,容積振動法の原理に基づいた平均・最高血圧決定に必要となる,脈波最大振幅点・消失点を含む容積振動パターンが良好に得られることが確認された.さらに市販機器と同程度の血圧値を得られることも確認され,本法の極めて簡易な,セルフ加圧型血圧計測としての有効性が示された.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual59.546