急角度頭低位の砕石位における全身の体圧変化の特徴

【背景・目的】頭低位砕石位での体位固定はロボット支援下骨盤内手術で一般的である。体位固定は神経障害・下肢コンパートメント症候群・褥瘡などの重篤な合併症を引き起こす事があり、頭低位角度やその際にかかる体圧が影響することが考えられる。本研究は急角度頭低位の砕石位における傾斜角度による身体の体圧変化、ならびに対象者の特性との関係を明らかにすることを目的とする。【方法】研究対象者は参加の同意を得た健康な成人ボランティア8名(26.8±2.4歳)とした。手術台上で陰圧式体位固定器具の上に体圧測定装置(SRソフトビジョン:住友理工)を敷き、下肢は下肢支持器を用いて対象者を砕石位にした。上半身と両下腿の体圧...

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Published in生体医工学 Vol. Annual59; no. Abstract; p. 545
Main Authors 中嶋, 章仁, 石井, 豊恵, 井上, 文彰, 大野, 学, 赤田, いづみ, 山口, 亜希子, 福重, 春菜, 伊藤, 朗子, 三谷, 理恵, 中橋, 苗代, 平野, 方子, 上田, 記子, 岡田, 志麻
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2021
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Summary:【背景・目的】頭低位砕石位での体位固定はロボット支援下骨盤内手術で一般的である。体位固定は神経障害・下肢コンパートメント症候群・褥瘡などの重篤な合併症を引き起こす事があり、頭低位角度やその際にかかる体圧が影響することが考えられる。本研究は急角度頭低位の砕石位における傾斜角度による身体の体圧変化、ならびに対象者の特性との関係を明らかにすることを目的とする。【方法】研究対象者は参加の同意を得た健康な成人ボランティア8名(26.8±2.4歳)とした。手術台上で陰圧式体位固定器具の上に体圧測定装置(SRソフトビジョン:住友理工)を敷き、下肢は下肢支持器を用いて対象者を砕石位にした。上半身と両下腿の体圧を0-30度の頭低位で測定した。また、対象者の年齢・身長・体重・BMIや体組成情報などと体圧測定データを各部位の体圧の最大値を相関係数の算出に用いた。【結果】頭低位30度における仙骨部の最高体圧はBMIと有意な強い負の相関を認めたが(r=-0.926;p<0.05)、頭低位30度における左右の肩の最高体圧とBMIとの有意な相関はなかった。さらに左右の肩の最高体圧は頭低位の傾斜角度が急になるにつれて上昇していた。【考察】BMIが低値(痩せ)の体型では仙骨部の骨突出により局所の体圧が高くなり、また、両肩の体圧変化は頭低位により頭側に身体の重心が移動したことにより肩の体圧が上昇したと考えられた。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual59.545