教室における指趾の再接着について

昭和49年から57年8月まで当科で行った指再接着手術は110症例147指になる. われわれは適応を厳密にせず再接着指を行っているが, その生着率は88.9%で諸家の報告に比べ遜色はない. 特に手術手技の向上した54年以降の生着率は94.3%となっている. これらの症例について検討し, われわれの手術方法, 後療法について述べた.「はじめに」切断指再接着術は長年Hand surgeonの夢であったが, 玉井1)らの母指再接着の成功に始まり, 約10年前からmicrosurgeryの手技を用いた切断指再接着がいくつかの施設で試みられ, 現在ではかなりの施設で行われている. 当整形外科では昭和48年...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in川崎医学会誌 Vol. 9; no. 1; pp. 40 - 48
Main Authors 山野慶樹, 難波泰樹, 日野洋介, 長谷川徹, 赤司浩二郎, 三宅信一郎, 阿久根隆, 奥坊康士, 野口耕司, 渡辺良, 松田英雄, 中嶋一行, 島津晃
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 川崎医学会 1983
Online AccessGet full text
ISSN0386-5924
DOI10.11482/kmj-j9(1)40

Cover

More Information
Summary:昭和49年から57年8月まで当科で行った指再接着手術は110症例147指になる. われわれは適応を厳密にせず再接着指を行っているが, その生着率は88.9%で諸家の報告に比べ遜色はない. 特に手術手技の向上した54年以降の生着率は94.3%となっている. これらの症例について検討し, われわれの手術方法, 後療法について述べた.「はじめに」切断指再接着術は長年Hand surgeonの夢であったが, 玉井1)らの母指再接着の成功に始まり, 約10年前からmicrosurgeryの手技を用いた切断指再接着がいくつかの施設で試みられ, 現在ではかなりの施設で行われている. 当整形外科では昭和48年末開院以来, microsurgeryの手技, 器材を導入しており, 切断指再接着は昭和49年12月14日に松田ら2)により初めて行われた. 以来昭和57年8月末までに110例147指趾の再接着術を行っている. 昭和52年までは主に松田が, 昭和53年以降は主に山野が再接着を行っている. microsurgery手技を用いた緊急手術として切断指(趾)以外に上腕, 前腕, 手掌部, penis等の再接着を行っている3,4)が, 今回は足の第1趾3例を含む指趾完全および不全切断の110症例147指(趾)について検討した. 再接着の適応 切断指再接着には諸家により適応がかなり厳密に定められており, 5,6,7,8,9,10,11)通常, 母指IP関節より中枢での切断, zoneIIより中枢の3指以上の切断, 小児の切断, 女性の切断などが適応とされている.
ISSN:0386-5924
DOI:10.11482/kmj-j9(1)40