Proline Analogue L-Azetidine-2-Carboxylic Acid のマウス歯胚分化に及ぼす影響に関する電顕的研究

Proline analogue L-azetidineのマウス歯胚分化, 特に象牙芽細胞の細胞分化に対する影響を電顕的に検討した。L-azetidine添加培養4日後, 歯胚の分化は著明に抑制され, 前象牙質形成は認められなかった。電顕的に, 低濃度添加例では, 象牙芽細胞において粗面小胞体の減少と小胞化がみられ, 特異な線維および線維様物質を含むライソソーム様顆粒が多数出現した。ライソソーム様顆粒内の線維の長径はSLSの約1/4を示していた。高濃度添加例では, 象牙芽細胞は大小のcytosegresomeが増加し, ついで細胞内小器官に乏しい歯乳頭細胞様となった。またエナメル芽細胞へ分化途...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in歯科基礎医学会雑誌 Vol. 23; no. 4; pp. 601 - 625
Main Author 竹下, 信義
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 歯科基礎医学会 1981
Online AccessGet full text
ISSN0385-0137
DOI10.2330/joralbiosci1965.23.601

Cover

More Information
Summary:Proline analogue L-azetidineのマウス歯胚分化, 特に象牙芽細胞の細胞分化に対する影響を電顕的に検討した。L-azetidine添加培養4日後, 歯胚の分化は著明に抑制され, 前象牙質形成は認められなかった。電顕的に, 低濃度添加例では, 象牙芽細胞において粗面小胞体の減少と小胞化がみられ, 特異な線維および線維様物質を含むライソソーム様顆粒が多数出現した。ライソソーム様顆粒内の線維の長径はSLSの約1/4を示していた。高濃度添加例では, 象牙芽細胞は大小のcytosegresomeが増加し, ついで細胞内小器官に乏しい歯乳頭細胞様となった。またエナメル芽細胞へ分化途上の内エナメル上皮細胞も未分化な上皮細胞へ脱分化する傾向がみられた。その後2日間対照培養すると, 歯乳頭細胞様となった象牙芽細胞は再び分化し, 内エナメル上皮も分化を開始した。L-azetidineは象牙芽細胞の分化および機能を著しく抑制するが, その効果は可逆的であることが示唆された。
ISSN:0385-0137
DOI:10.2330/joralbiosci1965.23.601