プレートサーモグラフィーによる乳癌の診断, および正常乳房熱画像の研究

乳腺疾患234例と正常女性408例について, プレートサーモグラフィーの熱画像を検討し, 以下の結果をえた. 1. 乳房に腫瘤を触知する216例について, 腫瘤の熱画像を4型に分類しえた. 癌では, 腫瘤に一致する青色高温の熱画像と集中する不規則な血管像(T-II b,c型)や, 腫瘤を取り巻く青色高温の血管像(T-III型)が高頻度に認められた. 2. 冷風冷却法(dynamic method)は, 乳癌の鑑別に特に有用な方法であった. 3. 乳癌39例と良性疾患154例におけるプレートサーモグラフィーの診断率は, true positive rate 82.1%, true negativ...

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Published in川崎医学会誌 Vol. 6; no. 4; pp. 192 - 208
Main Author 高橋達雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 川崎医学会 1980
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Summary:乳腺疾患234例と正常女性408例について, プレートサーモグラフィーの熱画像を検討し, 以下の結果をえた. 1. 乳房に腫瘤を触知する216例について, 腫瘤の熱画像を4型に分類しえた. 癌では, 腫瘤に一致する青色高温の熱画像と集中する不規則な血管像(T-II b,c型)や, 腫瘤を取り巻く青色高温の血管像(T-III型)が高頻度に認められた. 2. 冷風冷却法(dynamic method)は, 乳癌の鑑別に特に有用な方法であった. 3. 乳癌39例と良性疾患154例におけるプレートサーモグラフィーの診断率は, true positive rate 82.1%, true negative rate79.2%であった. 4. プレートサーモグラフィーを, 触診, マンモグラフィー, 超音波断層法と同時に併用することは, 乳癌の診断に有効であった. 5. プレートサーモグラフィーにより, 正常女性の乳房熱画像を4型に分類したが, それらには年齢との相関が認められた. 「はじめに」乳癌の診断には視診, 触診が最も重要であるが, 最近ではマンモグラフィー, 超音波断層法, サーモグラフィーなどが併用され, 診断率の向上に努力がはらわれている1).
ISSN:0386-5924
DOI:10.11482/kmj-j6(4)192