洞爺火山灰降下以降の岩手火山のテフラの識別
洞爺火山灰降灰以降の岩手火山のテフラの識別を行うため,これらのテフラが模式的に露出することが示されている3地点で,火山ガラスおよび斜方輝石の屈折率を詳細に測定した.また,火山ガラスの色調,発泡形態および微斑晶の含有量を明らかにした.その結果,これまでに野外で識別されている個々のテフラは,鉱物組成.火山ガラスの形態,屈折率および斜方輝石の屈折率が異なり,それぞれをこれらの記載岩石学的特徴から識別できることが明らかとなった.なお,これらのテフラの中には雪浦軽石のように火山ガラスの屈折率が異なる3種類の軽石が混在していることも明らかとなった.岩手火山では,模式地でのテフラの上記記載岩石学的特徴をカタ...
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Published in | 地質学雑誌 Vol. 109; no. 1; pp. 1 - 19 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本地質学会
01.01.2003
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ISSN | 0016-7630 1349-9963 |
DOI | 10.5575/geosoc.109.1 |
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Summary: | 洞爺火山灰降灰以降の岩手火山のテフラの識別を行うため,これらのテフラが模式的に露出することが示されている3地点で,火山ガラスおよび斜方輝石の屈折率を詳細に測定した.また,火山ガラスの色調,発泡形態および微斑晶の含有量を明らかにした.その結果,これまでに野外で識別されている個々のテフラは,鉱物組成.火山ガラスの形態,屈折率および斜方輝石の屈折率が異なり,それぞれをこれらの記載岩石学的特徴から識別できることが明らかとなった.なお,これらのテフラの中には雪浦軽石のように火山ガラスの屈折率が異なる3種類の軽石が混在していることも明らかとなった.岩手火山では,模式地でのテフラの上記記載岩石学的特徴をカタログ化すれば,層準未知のテフラを同定できることが明らかとなった.岩手火山周辺では,AT火山灰は滝沢第1スコリア層準に挟在し,分火山灰の巣子スコリアの直下の黒ボク層中には,十和田中掫軽石が含まれることも明らかとなった. |
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ISSN: | 0016-7630 1349-9963 |
DOI: | 10.5575/geosoc.109.1 |