馬尾性間歇性跛行の1例

馬尾性間歇性跛行の1例を報告した. 症例は56歳, 女性. 間歇性跛行, 両下肢のしびれ感を主訴に入院した. 腰椎X線写真で, L4椎体の軽度の前方へのすべり, 骨棘形成を認めた. ミエログラフィーとメトリザミドCTでは, L3~4, L4~5, L5~S1椎間部に一致して脊椎管腔の著明な狭窄を認めた. 本例は先天性素地の上に変性が加わって発症した混合型腰部脊椎管狭窄症による馬尾性間歇性跛行と考えられた.「はじめに」間歇性跛行という現象は, 歩行を開始して, しばらくの間は何らの症状も出現しないが, 次第に下肢に脱力感, 知覚障害が生じて来て歩行不能となり, しばらく立ちどまって休息をとると,...

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Published in川崎医学会誌 Vol. 10; no. 2; pp. 233 - 237
Main Authors 粟井佐知夫, 東靖人, 安田雄, 守本研二, 寺尾章
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 川崎医学会 1984
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Summary:馬尾性間歇性跛行の1例を報告した. 症例は56歳, 女性. 間歇性跛行, 両下肢のしびれ感を主訴に入院した. 腰椎X線写真で, L4椎体の軽度の前方へのすべり, 骨棘形成を認めた. ミエログラフィーとメトリザミドCTでは, L3~4, L4~5, L5~S1椎間部に一致して脊椎管腔の著明な狭窄を認めた. 本例は先天性素地の上に変性が加わって発症した混合型腰部脊椎管狭窄症による馬尾性間歇性跛行と考えられた.「はじめに」間歇性跛行という現象は, 歩行を開始して, しばらくの間は何らの症状も出現しないが, 次第に下肢に脱力感, 知覚障害が生じて来て歩行不能となり, しばらく立ちどまって休息をとると, 症状が軽減して歩行可能となるものを言う. 間歇性跛行の種類としては, 動脈性間歇性跛行, 脊髄性間歇性跛行, 馬尾性間歇性跛行の3つが挙げられるが, 今回, 我々は腰部脊椎管狭窄による馬尾性間歇性跛行の1例を経験したので報告する. 症例 56歳. 女性. 木工作業員 主訴:両下肢のピリピリ感及び休息により回復する歩行障害.
ISSN:0386-5924
DOI:10.11482/kmj-j10(2)233