粘膜下層剥離術を施行したEBウイルス関連胃癌の一例

「はじめに」EBV(Epstein-Bar virus)関連胃癌は, EBVに感染した上皮細胞がモノクローナルに増殖した腫瘍である. 胃癌全体における頻度は8%程度だが, 自覚症状に乏しく診断に難渋する場合がある. 今回, 検診異常を契機に診断されたEBV関連胃癌の一例を報告する. 「症例」患者: 72歳, 男性 主訴: なし(検診異常) 既往歴: 後縦靱帯骨化症(手術), 63歳 H.pylori 除菌 生活歴: 飲酒 エタノール換算14g/日, 喫煙20本/日×52年 家族歴: 特記事項なし 現病歴: X年に施行した検診の胃透視検査で胃粘膜不整を指摘され, 当院へ紹介され受診した. 来院時...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 97; no. 1; pp. 71 - 72
Main Authors 高屋敷, 典生, 水井, 恒夫, 鹿志村, 純也, 有賀, 啓之, 黒崎, 宏貴
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 22.12.2020
日本消化器内視鏡学会関東支部会
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.97.1_71

Cover

More Information
Summary:「はじめに」EBV(Epstein-Bar virus)関連胃癌は, EBVに感染した上皮細胞がモノクローナルに増殖した腫瘍である. 胃癌全体における頻度は8%程度だが, 自覚症状に乏しく診断に難渋する場合がある. 今回, 検診異常を契機に診断されたEBV関連胃癌の一例を報告する. 「症例」患者: 72歳, 男性 主訴: なし(検診異常) 既往歴: 後縦靱帯骨化症(手術), 63歳 H.pylori 除菌 生活歴: 飲酒 エタノール換算14g/日, 喫煙20本/日×52年 家族歴: 特記事項なし 現病歴: X年に施行した検診の胃透視検査で胃粘膜不整を指摘され, 当院へ紹介され受診した. 来院時の身体所見では特記すべき異常所見を認めなかった. 血液検査: 生化学検査, 血算などを含め異常所見を認めず, 腫瘍マーカーも正常範囲内であった. 上部消化管内視鏡検査: 粘膜萎縮はO-IIで, 前庭部に腸上皮化生を認めた.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.97.1_71