高年齢者の脳動静脈奇形

60歳以上の高年齢で発症した動静脈奇形 (以下AVM) の7症例を報告した.発生頻度は, 198例のAVM中7例3.5%であった.発生部位はいずれも天幕上であった.初発症状の発症様式は, 4例がAVM破裂による脳内出血, 合併する動脈瘤の破裂によるクモ膜下出血が1例, 一過性脳虚血発作1例, 痙攣発作1例であった.最終的には7例中5例でAVMが破裂し, 頭蓋内出血の頻度は高率であった. 高年齢層におけるAVMは必ずしも稀なものではなく, 破裂例も少なくない.高年齢者の脳卒中の診断, 治療上注意が必要である....

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Bibliographic Details
Published in脳卒中 Vol. 12; no. 5; pp. 501 - 503
Main Authors 不破, 功, 甲斐, 豊, 和田, 秀隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 1990
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ISSN0912-0726
1883-1923
DOI10.3995/jstroke.12.501

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Summary:60歳以上の高年齢で発症した動静脈奇形 (以下AVM) の7症例を報告した.発生頻度は, 198例のAVM中7例3.5%であった.発生部位はいずれも天幕上であった.初発症状の発症様式は, 4例がAVM破裂による脳内出血, 合併する動脈瘤の破裂によるクモ膜下出血が1例, 一過性脳虚血発作1例, 痙攣発作1例であった.最終的には7例中5例でAVMが破裂し, 頭蓋内出血の頻度は高率であった. 高年齢層におけるAVMは必ずしも稀なものではなく, 破裂例も少なくない.高年齢者の脳卒中の診断, 治療上注意が必要である.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.12.501