肺癌に対する気管支形成症例の検討 : 特に肺動脈形成併用例について

肺癌に対し気管支形成術を行った20例を肺動脈形成も併せて行った8例とそうでない肺動脈非形成群12例に分けて検討した。肺動脈形成群の病期は, 1期1例, II期3例, IIIA期3例, IIIB期1期で, 肺動脈非形成群では1期8例, II期1例, IIIA期3例であった.気管支はすべて管状切除され, 肺動脈は管状切除2例, 窓状切除直接縫合6例で, 吻合部への被覆は行わなかった.術後合併症は肺動脈形成群の50%に発生したが, 吻合部に関するトラブルはなかった。また両群とも手術死や在院死は認めなかった.5年生存率は肺動脈形成群で68.5%, 肺動脈非形成群で61.7%であった. 気管支・肺動脈形...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 11; no. 7; pp. 807 - 811
Main Authors 天谷, 奨, 斉藤, 裕, 松永, 康弘, 春原, 哲之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 15.11.1997
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.11.807

Cover

More Information
Summary:肺癌に対し気管支形成術を行った20例を肺動脈形成も併せて行った8例とそうでない肺動脈非形成群12例に分けて検討した。肺動脈形成群の病期は, 1期1例, II期3例, IIIA期3例, IIIB期1期で, 肺動脈非形成群では1期8例, II期1例, IIIA期3例であった.気管支はすべて管状切除され, 肺動脈は管状切除2例, 窓状切除直接縫合6例で, 吻合部への被覆は行わなかった.術後合併症は肺動脈形成群の50%に発生したが, 吻合部に関するトラブルはなかった。また両群とも手術死や在院死は認めなかった.5年生存率は肺動脈形成群で68.5%, 肺動脈非形成群で61.7%であった. 気管支・肺動脈形成術は術後の管理に注意が必要であるが, 肺癌に対し根治性を有する肺機能温存術式と考えられた.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.11.807