原発性肝癌の診断における造影剤併用超音波検査の有用性の検討

超音波造影剤レボビスト®の肝癌診療における有用性を検討した. パワードプラ法に造影剤を使用することによって明らかに肝癌の血流シグナルの検出感度が向上し, ダイナミックCTと同等の結果であった. 特に体深部での検出率が向上し, レボビストは有用であると考えられた. さらに, 造影剤を使用した新しい血流検出法として造影ハーモニックパワードプラ法(CHPD)の肝癌における血流シグナル検出能の検討も行った. CHPDの感度はダイナミックCT以上であった. CHPDでみられた肝癌の血流パターンを vascular pattern と diffuse pattern に分類した検討では血流パターンは分化度...

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Published in肝臓 Vol. 42; no. 10; pp. 528 - 535
Main Authors 鈴木, 都男, 山本, 守敏, 白畠, 伸宏, 倉繁, 奈緒, 西山, 範, 新井, 敬一, 山田, 幸則, 伊藤, 敏文, 増田, 栄治, 吉原, 治正, 鎌田, 武信
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 25.10.2001
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Summary:超音波造影剤レボビスト®の肝癌診療における有用性を検討した. パワードプラ法に造影剤を使用することによって明らかに肝癌の血流シグナルの検出感度が向上し, ダイナミックCTと同等の結果であった. 特に体深部での検出率が向上し, レボビストは有用であると考えられた. さらに, 造影剤を使用した新しい血流検出法として造影ハーモニックパワードプラ法(CHPD)の肝癌における血流シグナル検出能の検討も行った. CHPDの感度はダイナミックCT以上であった. CHPDでみられた肝癌の血流パターンを vascular pattern と diffuse pattern に分類した検討では血流パターンは分化度と密接に関係しており, vascular pattern を呈するものは高分化の肝癌に多くみられた. レボビストを使用した超音波検査は肝癌の診療に有用であると考えられた.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.42.528