C型肝炎ウイルスによる慢性肝疾患のHealth Related QOLの測定
C型肝炎ウイルスによる慢性肝疾患患者の健康状態をHealth Related QOL (HRQOL) 尺度を用いて検討した. 異文化における適合性及び計量心理学的な検定が終了しているHRQOL尺度としてSF-36の日本語版を使用し, 491例について調査した. 肝性脳症患者除外後, 480例を解析対象とした. HRQOLに影響を与える因子の同定に重回帰分析を行い, 同定された因子内の各カテゴリー間の調整済平均値の差を多重比較を用いて比較した. の結果, 病理学的分類間ではSF-36の全てのサブ・スケールで有意差は認められなかった. しかしながら, 肝硬変患者をChild A及びBに分類すると,...
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Published in | 肝臓 Vol. 38; no. 10; pp. 587 - 595 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本肝臓学会
25.10.1997
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ISSN | 0451-4203 1881-3593 |
DOI | 10.2957/kanzo.38.587 |
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Summary: | C型肝炎ウイルスによる慢性肝疾患患者の健康状態をHealth Related QOL (HRQOL) 尺度を用いて検討した. 異文化における適合性及び計量心理学的な検定が終了しているHRQOL尺度としてSF-36の日本語版を使用し, 491例について調査した. 肝性脳症患者除外後, 480例を解析対象とした. HRQOLに影響を与える因子の同定に重回帰分析を行い, 同定された因子内の各カテゴリー間の調整済平均値の差を多重比較を用いて比較した. の結果, 病理学的分類間ではSF-36の全てのサブ・スケールで有意差は認められなかった. しかしながら, 肝硬変患者をChild A及びBに分類すると, SF-36の6つのサブ・スケールで有意差が認められた. この結果は, 従来の病理学的分類が, 患者の主観的に認識する健康度及び日常生活への影響 (HRQOL) を必ずしも反映していないことを示唆した. |
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ISSN: | 0451-4203 1881-3593 |
DOI: | 10.2957/kanzo.38.587 |