著明なリンパ節腫脹を認めた男性若年者PBCの一例

症例は21歳男性, 黄疸, 頸部リンパ節腫脹を主訴に当科紹介入院となった. 直接優位の血清ビリルビン値の上昇と肝逸脱酵素の上昇を認め, 抗ミトコンドリア抗体160倍, M2分画705U/mlと陽性を示した. 腹部造影CTでは, 著明な脾腫と肝門部リンパ節腫大を認めた. 肝生検組織像では, chronic non-suppurative destructive cholangitis (CNSDC) を認めPBCと診断した. リンパ節生検像では反応性, 過形成性に増大したリンパ濾胞を認めた. その後一度肝機能検査値の再上昇と全身倦怠感のため再入院したが, 現在は外来通院加療中である. 平成5年度...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in肝臓 Vol. 38; no. 12; pp. 713 - 717
Main Authors 相坂, 康之, 中塩, 了, 渡辺, 恭行, 神安, 雅哉, 政永, 敏之, 辻, 恵二, 三浦, 敏夫, 大畠, 俊之, 吉良, 臣介, 眞田, 栄治, 伊藤, 博之, 北本, 幹也, 中西, 敏夫, 梶山, 梧朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 25.12.1997
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:症例は21歳男性, 黄疸, 頸部リンパ節腫脹を主訴に当科紹介入院となった. 直接優位の血清ビリルビン値の上昇と肝逸脱酵素の上昇を認め, 抗ミトコンドリア抗体160倍, M2分画705U/mlと陽性を示した. 腹部造影CTでは, 著明な脾腫と肝門部リンパ節腫大を認めた. 肝生検組織像では, chronic non-suppurative destructive cholangitis (CNSDC) を認めPBCと診断した. リンパ節生検像では反応性, 過形成性に増大したリンパ濾胞を認めた. その後一度肝機能検査値の再上昇と全身倦怠感のため再入院したが, 現在は外来通院加療中である. 平成5年度厚生省特定疾患難治性肝炎調査研究班によるPBC全国調査では, 20歳代に発症した男性のPBCの報告はない. また, 本症例では著明な腹部リンパ節と表在リンパ節の腫大とを認めたが, これまで全身的非特異的反応性リンパ節腫脹を認めたとの報告は少なく, 興味深い一例と考えた.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.38.713