重症筋無力症に対する外科治療無効例の検討

1969年から1997年までの間に手術を施行した重症筋無力症 (MG) 症例31例のうち, 術後follow-upできた27症例について, 特に外科治療無効例の臨床像を明らかにすることを目的として, 治療効果に影響を与える因子について比較検討した. 全体の治療無効率 (不変+増悪) は25.9%であった.Osserman分類, 性別, 手術時年齢, 胸腺種合併の有無, 手術術式, follow-up期間には治療効果に統計学的有意差を認めなかったが, 病悩期間の長い症例に統計学的有意差を持って治療無効例が多いことが示された.また, 手術術式が治療効果に影響しない可能性が示唆された.胸腺摘出術の治...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 13; no. 6; pp. 713 - 717
Main Authors 松岡, 隆久, 林, 雅太郎, 藤田, 信弘, 杉, 和郎, 江里, 健輔, 金田, 好和, 田中, 俊樹, 坂野, 尚, 上田, 和弘, 佐伯, 浩一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 15.09.1999
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.13.713

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Summary:1969年から1997年までの間に手術を施行した重症筋無力症 (MG) 症例31例のうち, 術後follow-upできた27症例について, 特に外科治療無効例の臨床像を明らかにすることを目的として, 治療効果に影響を与える因子について比較検討した. 全体の治療無効率 (不変+増悪) は25.9%であった.Osserman分類, 性別, 手術時年齢, 胸腺種合併の有無, 手術術式, follow-up期間には治療効果に統計学的有意差を認めなかったが, 病悩期間の長い症例に統計学的有意差を持って治療無効例が多いことが示された.また, 手術術式が治療効果に影響しない可能性が示唆された.胸腺摘出術の治療効果はdelayed remissionの傾向にあり, 術後長期の経過観察が重要である.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.13.713