肺 pseudomesotheliomatous carcinomaの1例
症例は人間ドックで胸部要精査とされた40歳男性.胸部X線写真, CTで右胸腔に少量の胸水貯留を認めたが, 胸水の細胞診および細菌培養ともに陰性であった.胸水中ADAの上昇と血沈充進から結核性胸膜炎を疑い, 抗結核薬の投与を開始した.一時期胸水は減少したものの半年後から再び増え始め, 初診から1年後に胸部X線写真上腫瘤陰影が出現した.経皮針生検で悪性細胞が得られ, 右胸膜肺全摘術を施行した.摘出標本の肉眼所見からはびまん性胸膜中皮腫が疑われたが, 組織学的に腺癌と診断し, いわゆるpseudomesotheliomatous carcinomaと考えられた....
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Published in | 日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 10; no. 6; pp. 669 - 673 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
15.09.1996
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Subjects | |
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ISSN | 0919-0945 1881-4158 |
DOI | 10.2995/jacsurg.10.669 |
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Summary: | 症例は人間ドックで胸部要精査とされた40歳男性.胸部X線写真, CTで右胸腔に少量の胸水貯留を認めたが, 胸水の細胞診および細菌培養ともに陰性であった.胸水中ADAの上昇と血沈充進から結核性胸膜炎を疑い, 抗結核薬の投与を開始した.一時期胸水は減少したものの半年後から再び増え始め, 初診から1年後に胸部X線写真上腫瘤陰影が出現した.経皮針生検で悪性細胞が得られ, 右胸膜肺全摘術を施行した.摘出標本の肉眼所見からはびまん性胸膜中皮腫が疑われたが, 組織学的に腺癌と診断し, いわゆるpseudomesotheliomatous carcinomaと考えられた. |
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ISSN: | 0919-0945 1881-4158 |
DOI: | 10.2995/jacsurg.10.669 |