胸腔鏡補助下に切除した肋骨原発好酸球性肉芽腫の1症例
胸腔鏡補助下に切除した肋骨原発好酸球性肉芽腫の1例を報告する.症例は59歳, 男性.右胸痛を主訴とし, 単純X線撮影で右第4肋骨の融解像および胸部CT像では骨融解を伴う腫瘍陰影を認めた.RIを含む全身検索では他に異常を認めなかったため, 原発性肋骨腫瘍の診断で手術を施行した.皮切は後側方切開で腹側を後腋窩線までにとどめた縮小切開とし, 第7肋間の2ヵ所からトラコポートを挿入, 腫瘍の進展範囲を胸腔内からも観察しつつ切除した.胸腔鏡補助による胸壁切除は皮膚切開および肋間筋切離を縮小し, かつ安全に行いうることから, 非常に有用な手技であると思われた.病理組織学的には好酸球性肉芽腫と診断されたが,...
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Published in | 日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 11; no. 5; pp. 677 - 681 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
15.07.1997
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Subjects | |
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ISSN | 0919-0945 1881-4158 |
DOI | 10.2995/jacsurg.11.677 |
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Summary: | 胸腔鏡補助下に切除した肋骨原発好酸球性肉芽腫の1例を報告する.症例は59歳, 男性.右胸痛を主訴とし, 単純X線撮影で右第4肋骨の融解像および胸部CT像では骨融解を伴う腫瘍陰影を認めた.RIを含む全身検索では他に異常を認めなかったため, 原発性肋骨腫瘍の診断で手術を施行した.皮切は後側方切開で腹側を後腋窩線までにとどめた縮小切開とし, 第7肋間の2ヵ所からトラコポートを挿入, 腫瘍の進展範囲を胸腔内からも観察しつつ切除した.胸腔鏡補助による胸壁切除は皮膚切開および肋間筋切離を縮小し, かつ安全に行いうることから, 非常に有用な手技であると思われた.病理組織学的には好酸球性肉芽腫と診断されたが, 肋骨原発は比較的稀である.治療は手術的に切除されることが多いが, 他臓器病変の出現にも留意して経過観察が必要である. |
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ISSN: | 0919-0945 1881-4158 |
DOI: | 10.2995/jacsurg.11.677 |