ウイルス性急性肝炎および劇症肝炎の末梢血リンパ球Th1/Th2バランス

ウイルス性急性肝炎の末梢血CD4陽性細胞のTh1/Th2バランスを測定し, 急性期と治療経過に伴う変動および重症化との関連を検討した. 対象は急性肝炎 (AH) 17例, 急性肝炎重症型 (AHS) 9例, 劇症肝炎 (FH) 9例であり健常者35例を対照とした. 全例肝炎極期に, またAH10例とAHS5例では回復期にも測定した. CD4陽性T細胞に占めるTh1細胞比率およびTh2細胞比率と, その比率 (Th1/Th2比) をフローサイトメトリー法で求めた. さらに血清IL-18をELISA法にて測定し, Th1細胞比率, Th2細胞比率, Th1/Th2比との関連を検討した. 臨床病型別...

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Published in肝臓 Vol. 43; no. 12; pp. 550 - 558
Main Authors 小野寺, 誠, 遠藤, 龍人, 滝川, 康裕, 阿部, 弘一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 25.12.2002
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.43.550

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Summary:ウイルス性急性肝炎の末梢血CD4陽性細胞のTh1/Th2バランスを測定し, 急性期と治療経過に伴う変動および重症化との関連を検討した. 対象は急性肝炎 (AH) 17例, 急性肝炎重症型 (AHS) 9例, 劇症肝炎 (FH) 9例であり健常者35例を対照とした. 全例肝炎極期に, またAH10例とAHS5例では回復期にも測定した. CD4陽性T細胞に占めるTh1細胞比率およびTh2細胞比率と, その比率 (Th1/Th2比) をフローサイトメトリー法で求めた. さらに血清IL-18をELISA法にて測定し, Th1細胞比率, Th2細胞比率, Th1/Th2比との関連を検討した. 臨床病型別にみた肝炎極期の検討ではTh1細胞比率において, FHではAHに比し有意 (p<0.01) に低値であった. 肝炎の経過に伴う変動には一定の傾向を認めなかった. 血清IL-18値はいずれの病型でも高値を示したが, 相関を認めなかった.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.43.550