胸水を伴う胸膜播種に対し術中胸腔内Hypotonic chemotherapyを施行したIVa期胸腺腫の2症例

IVa期胸腺腫に対し白金錯体と蒸留水による術中胸腔内hypotonic chemotherapy (HCT) を施行した2症例を報告する.症例1は重症筋無力症を合併した59歳女性で, 腫腫瘍を含む胸腺及び播種巣切除術後3年6ヵ月目に赤芽球癆と胸水を伴って増大した右胸膜播種病巣に対し, 播種巣再切除とHCTを施行した.症例2は42歳男性で, 無数の胸膜播種と大量胸水にて発症し, 化学療法後に主腫瘍を含む胸腺及び播種巣の可及的切除とHCTを施行した.両症例とも術後16ヵ月, 6ヵ月現在, 胸水の再貯留無く経過している.HCTは胸腺腫の胸膜播種に伴う胸水の制御に有用と考えられた....

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 12; no. 5; pp. 623 - 628
Main Authors 園部, 誠, 中川, 正嗣, 池上, 直行, 鈴村, 雄治, 長澤, みゆき, 神頭, 徹
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 15.07.1998
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Summary:IVa期胸腺腫に対し白金錯体と蒸留水による術中胸腔内hypotonic chemotherapy (HCT) を施行した2症例を報告する.症例1は重症筋無力症を合併した59歳女性で, 腫腫瘍を含む胸腺及び播種巣切除術後3年6ヵ月目に赤芽球癆と胸水を伴って増大した右胸膜播種病巣に対し, 播種巣再切除とHCTを施行した.症例2は42歳男性で, 無数の胸膜播種と大量胸水にて発症し, 化学療法後に主腫瘍を含む胸腺及び播種巣の可及的切除とHCTを施行した.両症例とも術後16ヵ月, 6ヵ月現在, 胸水の再貯留無く経過している.HCTは胸腺腫の胸膜播種に伴う胸水の制御に有用と考えられた.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.12.623