完全型CREST症候群を合併した抗ミトコンドリア抗体陰性の原発性胆汁性肝硬変の2例
症例1; 72歳の女性. 皮下石灰化, Raynaud現象, 下部食道の拡張, 手指の皮膚硬化, 毛細血管拡張を認めた. 検査成績にて抗ミトコンドリア抗体 (AMA) は蛍光抗体間接法で陰性であったが, 抗核抗体が5120倍と高力価で抗セントロメア抗体 (ACA) が陽性であった. 肝生検にて小葉間胆管の基底膜破壊と胆管上皮細胞の重層化を認めPBC (Scheuer分類2期) と診断した. 症例2; 68歳の女性. 皮下石灰化, Raynaud現象, 下部食道の拡張, 手指と足趾の皮膚硬化, 毛細血管拡張を認めた. 検査成績では, 症例1と同様にAMAは陰性であったが, 抗核抗体が5120倍で...
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Published in | 肝臓 Vol. 39; no. 12; pp. 924 - 928 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本肝臓学会
25.12.1998
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Subjects | |
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ISSN | 0451-4203 1881-3593 |
DOI | 10.2957/kanzo.39.924 |
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Summary: | 症例1; 72歳の女性. 皮下石灰化, Raynaud現象, 下部食道の拡張, 手指の皮膚硬化, 毛細血管拡張を認めた. 検査成績にて抗ミトコンドリア抗体 (AMA) は蛍光抗体間接法で陰性であったが, 抗核抗体が5120倍と高力価で抗セントロメア抗体 (ACA) が陽性であった. 肝生検にて小葉間胆管の基底膜破壊と胆管上皮細胞の重層化を認めPBC (Scheuer分類2期) と診断した. 症例2; 68歳の女性. 皮下石灰化, Raynaud現象, 下部食道の拡張, 手指と足趾の皮膚硬化, 毛細血管拡張を認めた. 検査成績では, 症例1と同様にAMAは陰性であったが, 抗核抗体が5120倍でACAが陽性であった. 肝生検にて小葉間胆管の基底膜破壊と偽胆管の増生およびgranuloma形成が認められPBC (Scheuer 分類2期) と診断した. 症例1, 2ともにAMA陰性のPBCと完全型CREST症候群の合併であり, 貴重な症例と考え報告した. |
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ISSN: | 0451-4203 1881-3593 |
DOI: | 10.2957/kanzo.39.924 |