心因性視力障害(Visual Conversion Reaction)におけるパターンリバーサルVisual Evoked Responseの試み
目的:心因性視力障害(転換型視覚障害・VCR)と思われる症例に、他覚的黄斑機能評価法であるパターンリバーサルVER(以下PVER)を施行しその有効性を調べた。 対象と方法:平成17年10月~平成18年7月の期間に受診し心因性視力障害が疑われた30症例、男児5名、女児25名を対象にした。年齢は5~15歳であり平均年齢は9.5歳であった。測定方法は初めに裸眼視力を測定し、次に中和法にて矯正視力を測定した。PVERはTransient VERとSteady-state VERを測定した。 結果:視力検査では全体の75%(60眼中45眼)にて中和法による矯正後1.0以上の視力を得た。Transient...
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Published in | 日本視能訓練士協会誌 Vol. 36; pp. 103 - 111 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本視能訓練士協会
31.10.2007
日本視能訓練士協会 |
Subjects | |
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ISSN | 0387-5172 1883-9215 |
DOI | 10.4263/jorthoptic.36.103 |
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Summary: | 目的:心因性視力障害(転換型視覚障害・VCR)と思われる症例に、他覚的黄斑機能評価法であるパターンリバーサルVER(以下PVER)を施行しその有効性を調べた。 対象と方法:平成17年10月~平成18年7月の期間に受診し心因性視力障害が疑われた30症例、男児5名、女児25名を対象にした。年齢は5~15歳であり平均年齢は9.5歳であった。測定方法は初めに裸眼視力を測定し、次に中和法にて矯正視力を測定した。PVERはTransient VERとSteady-state VERを測定した。 結果:視力検査では全体の75%(60眼中45眼)にて中和法による矯正後1.0以上の視力を得た。Transient VERにおいては約97%が正常反応を示し、約3%でのみ頂点潜時の延長を認めた。Steady-state VERは約80%がband-Pass型の正常反応を示し、残りの20%はそれ以外の不整型の異常反応を示した。 結論:心因性視力障害(VCR)が疑われる症例では視力・視野検査の自覚的検査に加え、他覚的黄斑機能評価法であるPVERを行うことで、より診断が確実になる。 |
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ISSN: | 0387-5172 1883-9215 |
DOI: | 10.4263/jorthoptic.36.103 |