右胸腔内に穿孔した縦隔発生成熟奇形腫の1例
12歳, 女性.難治性胸水の精査で右胸腔内腫瘍を疑われ, 開胸したところ縦隔発生成熟奇形腫の右胸腔内穿孔と診断された症例を経験した.奇形腫は縦隔腫瘍の中で発生頻度の高い腫瘍の一つであり, 稀ではあるが周囲臓器へ癒着穿孔を来たし重篤な合併症を引き起こすことで知られている.胸水貯留を呈する場合に, 胸部単純X線写真のみで貯留胸水の中に腫瘍性病変を見出すのは容易ではなく診断が遅れる可能性がある.難治性胸水を認めた場合は常に腫瘍性病変を念頭に入れて追加検査を進める必要がある.また縦隔奇形腫は腫瘍が良性であっても, 他の臓器への破裂, 穿孔が致命的な結果をもたらすことがあり, 診断後なるべく早期に摘除す...
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Published in | 日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 17; no. 6; pp. 666 - 671 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | English |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
15.09.2003
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Summary: | 12歳, 女性.難治性胸水の精査で右胸腔内腫瘍を疑われ, 開胸したところ縦隔発生成熟奇形腫の右胸腔内穿孔と診断された症例を経験した.奇形腫は縦隔腫瘍の中で発生頻度の高い腫瘍の一つであり, 稀ではあるが周囲臓器へ癒着穿孔を来たし重篤な合併症を引き起こすことで知られている.胸水貯留を呈する場合に, 胸部単純X線写真のみで貯留胸水の中に腫瘍性病変を見出すのは容易ではなく診断が遅れる可能性がある.難治性胸水を認めた場合は常に腫瘍性病変を念頭に入れて追加検査を進める必要がある.また縦隔奇形腫は腫瘍が良性であっても, 他の臓器への破裂, 穿孔が致命的な結果をもたらすことがあり, 診断後なるべく早期に摘除することが望ましい. |
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ISSN: | 0919-0945 1881-4158 |
DOI: | 10.2995/jacsurg.17.666 |