高齢者の頸動脈超音波断層, 頭部CT所見と血中リポ蛋白 (a), レムナント様リポ蛋白濃度

頸動脈病変, 虚血性脳血管障害とリポ蛋白 (a) [Lp (a)], レムナント様リポ蛋白 (RLPch) との関連を知る目的で, 頸動脈超音波断層撮影および頭部CT検査の施行された高齢者216例を対象として血中Lp (a), RLP-ch濃度を測定した.頸動脈病変は126例にみられ, 閉塞5例以外はplaque (P) であった.Pを性状より分類 (エコー輝度より低輝度P, 高輝度Pおよび両者混在のP) し, 病変の広がりは頸動脈病変スコア (CLS) として半定量的に評価した.血中Lp (a) 濃度は頸動脈病変を有する例 (特に両側病変例) で無病変例より有意に高く, 病変では低輝度Pおよ...

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Published in脳卒中 Vol. 18; no. 3; pp. 209 - 216
Main Authors 中村, 喜江, 高崎, 優, 木暮, 大嗣, 岩本, 俊彦, 杉山, 壮
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中学会 25.06.1996
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ISSN0912-0726
1883-1923
DOI10.3995/jstroke.18.209

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Summary:頸動脈病変, 虚血性脳血管障害とリポ蛋白 (a) [Lp (a)], レムナント様リポ蛋白 (RLPch) との関連を知る目的で, 頸動脈超音波断層撮影および頭部CT検査の施行された高齢者216例を対象として血中Lp (a), RLP-ch濃度を測定した.頸動脈病変は126例にみられ, 閉塞5例以外はplaque (P) であった.Pを性状より分類 (エコー輝度より低輝度P, 高輝度Pおよび両者混在のP) し, 病変の広がりは頸動脈病変スコア (CLS) として半定量的に評価した.血中Lp (a) 濃度は頸動脈病変を有する例 (特に両側病変例) で無病変例より有意に高く, 病変では低輝度Pおよび混在P例で上昇していた.またLp (a) 高値例ではPの増高がみられ, CLSも高得点であった.CT所見では深部小梗塞55例, 皮質梗塞49例共にLp (a) 値は高かった.一方RLPchでの差はいずれも明らかでなかった.以上よりLp (a) は頭頸部動脈の硬化性, 血栓性変化に促進的に作用し, 特に低輝度のplaqueと深く関連していた.
ISSN:0912-0726
1883-1923
DOI:10.3995/jstroke.18.209