閉塞性内頸動脈病変に伴うvenous stasis retinopathyとischemic oculopathyの臨床放射線学的検討
虚血性眼病変 (venous stasis retinopathy, ischemic oculopathy) を有する6症例におけるCT, 脳血管撮影所見について検討した.症例は全員男性で, 平均年齢は56歳であった.眼症候としては, 1例はamaurosis fugaxのみで, 他の5例には視力低下を認めた.このうち3例はamaurosis fugaxも合併していた.CTでは, 2例に梗塞巣が認められず, 梗塞巣を有する4例も, 内頸動脈閉塞があるにもかかわらず, 病巣は小さかった.脳血管撮影所見としては, 全例に虚血性眼病変と同側の頭蓋外内頸動脈に閉塞が存在し, 5例に眼動脈を主体とした...
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Published in | 脳卒中 Vol. 12; no. 4; pp. 381 - 386 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中学会
1990
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0912-0726 1883-1923 |
DOI | 10.3995/jstroke.12.381 |
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Summary: | 虚血性眼病変 (venous stasis retinopathy, ischemic oculopathy) を有する6症例におけるCT, 脳血管撮影所見について検討した.症例は全員男性で, 平均年齢は56歳であった.眼症候としては, 1例はamaurosis fugaxのみで, 他の5例には視力低下を認めた.このうち3例はamaurosis fugaxも合併していた.CTでは, 2例に梗塞巣が認められず, 梗塞巣を有する4例も, 内頸動脈閉塞があるにもかかわらず, 病巣は小さかった.脳血管撮影所見としては, 全例に虚血性眼病変と同側の頭蓋外内頸動脈に閉塞が存在し, 5例に眼動脈を主体とした側副血行路が認められた.この豊富な側副血行路により, 網膜血流の盗血現象を起こし, これが虚血性眼病変の誘因となったものと考えられた.4例が血管新生緑内障へと進展し, 視力に関する転帰は不良であった.従って, 閉塞性内頸動脈病変があり, 眼動脈を逆行する豊富な側副血行が認められる症例では, 定期的な眼科的検査が必要である. |
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ISSN: | 0912-0726 1883-1923 |
DOI: | 10.3995/jstroke.12.381 |