肺海綿状血管腫の1切除例

症例は44歳の女性.検診の胸部単純X線写真で右下肺野に15×8mm大の異常陰影を指摘された.胸部CTではrt S9に10×10mm大で, 辺縁不整な類円形の病変を認めた.TBLBで悪性所見は認めなかった.8ヵ月間の経過観察でごく僅かに増大傾向があり, 胸部CTの所見上肺癌を否定できなかったため, 診断を兼ねて右下葉部分切除術を施行した.病理所見で大小の相互に吻合する洞様構造を認め, 免疫組織化学的には内腔を裏装する細胞は抗CD34抗体で染色され, 海綿状血管腫と診断した.肺海綿状血管腫は稀な疾患であり, 若干の文献的考察を加え報告する....

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 17; no. 5; pp. 578 - 581
Main Authors 藤田, 敦, 田中, 良太, 照屋, 正則, 松岡, 緑郎, 呉屋, 朝幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 15.07.2003
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Summary:症例は44歳の女性.検診の胸部単純X線写真で右下肺野に15×8mm大の異常陰影を指摘された.胸部CTではrt S9に10×10mm大で, 辺縁不整な類円形の病変を認めた.TBLBで悪性所見は認めなかった.8ヵ月間の経過観察でごく僅かに増大傾向があり, 胸部CTの所見上肺癌を否定できなかったため, 診断を兼ねて右下葉部分切除術を施行した.病理所見で大小の相互に吻合する洞様構造を認め, 免疫組織化学的には内腔を裏装する細胞は抗CD34抗体で染色され, 海綿状血管腫と診断した.肺海綿状血管腫は稀な疾患であり, 若干の文献的考察を加え報告する.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.17.578