持続腹膜透析により発見され, 胸腔鏡下に治療した横隔膜交通症の一例

症例は56歳女性.持続腹膜透析 (continuous ambulatory peritoneal dialysis: 以下CAPDと略す) 施行中に透析液の消失と胸水貯留があり精査のために当院に入院した.胸腔腹腔シンチで横隔膜交通症と診断された.胸腔鏡下に手術施行し横隔膜に責任病変を認め外科的な治療にてCAPDの再開に成功した.横隔膜交通症は保存的に加療されることが多く, その半数でCAPDを断念し血液透析に移行している.外科的に治療された症例を検索したところ12例の報告があり, 10例でCAPDの再開に成功していた.胸腔鏡下手術は侵襲が少なく優れた術式であり, 責任病変の有無を調べるという...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 16; no. 2; pp. 193 - 198
Main Authors 鈴木, 弘行, 塩, 豊, 米地, 敦, 管野, 隆三, 後藤, 満一, 樋口, 光徳, 藤生, 浩一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 15.03.2002
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.16.193

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Summary:症例は56歳女性.持続腹膜透析 (continuous ambulatory peritoneal dialysis: 以下CAPDと略す) 施行中に透析液の消失と胸水貯留があり精査のために当院に入院した.胸腔腹腔シンチで横隔膜交通症と診断された.胸腔鏡下に手術施行し横隔膜に責任病変を認め外科的な治療にてCAPDの再開に成功した.横隔膜交通症は保存的に加療されることが多く, その半数でCAPDを断念し血液透析に移行している.外科的に治療された症例を検索したところ12例の報告があり, 10例でCAPDの再開に成功していた.胸腔鏡下手術は侵襲が少なく優れた術式であり, 責任病変の有無を調べるという診断的意味も含めて有効な手段だと考えられる.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.16.193