小型鯨類の保全管理と海洋生態系:長期データから学んだこと
「はじめに」この度は名誉ある賞を授与いただき, 選考委員の先生方, 当学会の皆様に改めて感謝申し上げたい. 今回受賞対象となった研究は, 北太平洋に生息するハンドウイルカ Tursiops truncatus, コビレゴンドウ Globicephala macrorhynchusなどの小型鯨類の分布や生息地利用を生態系構造との関連で解析した研究と, 分布・個体数変動の情報に基づく保全管理への応用に関するものである. 一連の研究成果のほとんどは, 1980年代に開始され, 水産研究・教育機構が今日まで継続して行っている鯨類目視調査 (JApan Fisheries Research and ed...
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Published in | 哺乳類科学 Vol. 64; no. 1; pp. 137 - 141 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本哺乳類学会
2024
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Summary: | 「はじめに」この度は名誉ある賞を授与いただき, 選考委員の先生方, 当学会の皆様に改めて感謝申し上げたい. 今回受賞対象となった研究は, 北太平洋に生息するハンドウイルカ Tursiops truncatus, コビレゴンドウ Globicephala macrorhynchusなどの小型鯨類の分布や生息地利用を生態系構造との関連で解析した研究と, 分布・個体数変動の情報に基づく保全管理への応用に関するものである. 一連の研究成果のほとんどは, 1980年代に開始され, 水産研究・教育機構が今日まで継続して行っている鯨類目視調査 (JApan Fisheries Research and education Agency Cetacean Sighting Survey, JAFRACSS) で得られたデータ・サンプルを利用して得ている. 鯨類研究の先人たちが築いた調査・研究の枠組みと, それを継続して実施してきた先輩たちの苦労と工夫があったからこその研究成果であることをまず初めに申し上げたい. |
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ISSN: | 0385-437X 1881-526X |
DOI: | 10.11238/mammalianscience.64.137 |