シリコーンアイオノマーの合成と電気粘性流体への応用

新規シリコーンアイオノマーを合成し粒子化しシリコーンオイルへ分散させて電気粘性 (ER) 流体を作製した. (1) カルボン酸塩型およびスルホン酸塩型新規シリコーンアイオノマーおよびその微粒子の製造方法を確立した. これら微粒子をシリコーンオイルへ分散させたとき, ER特性を示した. (2) カルボン酸塩型アイオノマー粒子を用いたER流体は2kPa以上の大きい降伏応力を示した. 降伏応力は100℃付近に極大値が存在し, それ以上では低下した. 降伏応力が大きくなるほどリーク電流も大きくなるという傾向が認められた. (3) カノレボン酸塩型アイオノマー粒子を用いたER流体は高温特性および高温安定...

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Published in高分子論文集 Vol. 58; no. 3; pp. 105 - 110
Main Authors 中村, 隆司, 三上, 隆三, 小林, 昭彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 高分子学会 2001
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ISSN0386-2186
1881-5685
DOI10.1295/koron.58.105

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Summary:新規シリコーンアイオノマーを合成し粒子化しシリコーンオイルへ分散させて電気粘性 (ER) 流体を作製した. (1) カルボン酸塩型およびスルホン酸塩型新規シリコーンアイオノマーおよびその微粒子の製造方法を確立した. これら微粒子をシリコーンオイルへ分散させたとき, ER特性を示した. (2) カルボン酸塩型アイオノマー粒子を用いたER流体は2kPa以上の大きい降伏応力を示した. 降伏応力は100℃付近に極大値が存在し, それ以上では低下した. 降伏応力が大きくなるほどリーク電流も大きくなるという傾向が認められた. (3) カノレボン酸塩型アイオノマー粒子を用いたER流体は高温特性および高温安定性が悪かった. (4) 分岐状構造を有するスルホン酸ナトリウム塩アイオノマー粒子を用いたER流体は降伏応力は小さかったが, リーク電流の温度依存性も小さかった. また, 高温安定性がよかった. このER流体の降伏応力は温度上昇に伴い増大した.
ISSN:0386-2186
1881-5685
DOI:10.1295/koron.58.105