非血縁者間同種骨髄移植を施行したt (6;9) (p23; q34) を有する急性骨髄性白血病の1例

t (6;9) (p23;q34) を有する急性骨髄性白血病 (AML) の12歳男児例を経験した.初回寛解導入療法後に鏡検上は寛解に入ったが, 転座部位に生じるDEK/ CANキメラmRNAは長期間検出され続けた.この症例に対して第一寛解期に非血縁者間同種骨髄移植 (u-BMT) を施行した.移植後の経過は概ね順調で重篤な感染症や移植片対宿主病 (GVHD) は認めず, 生着も比較的速やかであった.移植後の骨髄検査では完全ドナー型キメラを維持しており, DEK/CANキメラmRNAも消失している.t (6;9) (p23;q34) は症例数も少なく, 現在独立した予後因子としては認められてい...

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Published in日本小児血液学会雑誌 Vol. 22; no. 5-6; pp. 374 - 377
Main Authors 林, 耕平, 小阪, 嘉之, 竹田, 洋樹, 川崎, 圭一郎, 長谷川, 大一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会 31.12.2008
日本小児血液学会
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ISSN0913-8706
1884-4723
DOI10.11412/jjph1987.22.374

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Summary:t (6;9) (p23;q34) を有する急性骨髄性白血病 (AML) の12歳男児例を経験した.初回寛解導入療法後に鏡検上は寛解に入ったが, 転座部位に生じるDEK/ CANキメラmRNAは長期間検出され続けた.この症例に対して第一寛解期に非血縁者間同種骨髄移植 (u-BMT) を施行した.移植後の経過は概ね順調で重篤な感染症や移植片対宿主病 (GVHD) は認めず, 生着も比較的速やかであった.移植後の骨髄検査では完全ドナー型キメラを維持しており, DEK/CANキメラmRNAも消失している.t (6;9) (p23;q34) は症例数も少なく, 現在独立した予後因子としては認められていない.今後このような稀有な予後不良核型をもつ症例の移植適応や前処置法などを明らかにするためにも症例のさらなる蓄積が望まれる.
ISSN:0913-8706
1884-4723
DOI:10.11412/jjph1987.22.374