慢性透析患者に発症した壊死型虚血性小腸炎の1例

症例は51歳女性.慢性腎不全にて33歳時より透析を受けていた.今回,透析開始直後より血圧の低下,腹痛,嘔吐を認め当院入院となった.保存的治療にて改善がみられず入院3日後に開腹したところ, 120cmにわたり空腸が分節性に壊死に陥っていた. 透析患者は虚血性腸炎のhigh risk groupと考えられ,手術報告例も増加してきている.病変は上腸間膜動脈領域,特に回盲部に多いとされているが,自験例は上部空腸に限局しており,非常に稀有と考えられた....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 59; no. 6; pp. 1560 - 1563
Main Authors 中村, 光成, 宮崎, 耕治, 森, 倫人, 中村, 哲也, 伊山, 明宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.06.1998
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.59.1560

Cover

More Information
Summary:症例は51歳女性.慢性腎不全にて33歳時より透析を受けていた.今回,透析開始直後より血圧の低下,腹痛,嘔吐を認め当院入院となった.保存的治療にて改善がみられず入院3日後に開腹したところ, 120cmにわたり空腸が分節性に壊死に陥っていた. 透析患者は虚血性腸炎のhigh risk groupと考えられ,手術報告例も増加してきている.病変は上腸間膜動脈領域,特に回盲部に多いとされているが,自験例は上部空腸に限局しており,非常に稀有と考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.59.1560