十二指腸原発GISTの1例

われわれは潰瘍形成,出血を反復した十二指腸原発GISTの症例を経験した.症例は77歳,男性.上部消化管透視,内視鏡検査にて十二指腸第1部から第2部に潰瘍と高い周堤を伴う隆起性病変を認め,腹部CT,超音波検査にて十二指腸に腫瘤性病変を認めた.生検で間葉系悪性腫瘍が疑われ手術を施行,術式は膵頭十二指腸切除術を選択した.十二指腸第2部を中心に最大径9 cm大の充実性腫瘍を認め,病理組織学的には類円形核の紡錘形~多角形細胞が線維束状ないし充実性に増生し核分裂像は平均4.7個/50 HPFであった.免疫染色ではc-kit, CD34, vimentinが陽性, α-SMA, HHF-35, S-100で...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 64; no. 9; pp. 2162 - 2167
Main Authors 日下, 純男, 菊池, 俊弘, 小野, 貞英, 伊藤, 達朗, 石黒, 保直, 斎藤, 和好
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.09.2003
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.64.2162

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Summary:われわれは潰瘍形成,出血を反復した十二指腸原発GISTの症例を経験した.症例は77歳,男性.上部消化管透視,内視鏡検査にて十二指腸第1部から第2部に潰瘍と高い周堤を伴う隆起性病変を認め,腹部CT,超音波検査にて十二指腸に腫瘤性病変を認めた.生検で間葉系悪性腫瘍が疑われ手術を施行,術式は膵頭十二指腸切除術を選択した.十二指腸第2部を中心に最大径9 cm大の充実性腫瘍を認め,病理組織学的には類円形核の紡錘形~多角形細胞が線維束状ないし充実性に増生し核分裂像は平均4.7個/50 HPFであった.免疫染色ではc-kit, CD34, vimentinが陽性, α-SMA, HHF-35, S-100で部分的に陽性で, GIST, combined type, malignantと診断した.本邦では免疫染色で確診した十二指腸原発GISTの報告は本症例を含め15例である.本症例も高危険度に分類され注意深い経過観察が必要である.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.64.2162