乳癌腎転移の1例

67歳女性.左乳癌に対し胸筋温存乳房切除術を1997年3月25日に受け,Stage IIIaでリンパ節転移は陽性であった.術後1年目に肝転移をきたし,肝動注を続け (5FU1500mg48時間持続2週間毎), 8カ月後のCTで肝転移はPRとなったが,右腎転移が発見され,他に転移はなく1999年3月10日右腎摘出術を受けた.肉眼的腫瘍径は約6cmで術後病理診により乳癌腎転移と診断された.術後の経過は全身化学療法を施行したが肝転移の増悪,肺転移の出現で腎摘出後1年2カ月後に死亡した.これまでの臨床例での報告は本例を含め8例のみしか文献的に報告はなく乳癌腎転移の手術例は稀と考えられた.早期診断のため...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 62; no. 4; pp. 1049 - 1051
Main Authors 石山, 暁, 千島, 隆司, 小金井, 一隆, 高橋, 正純, 鬼頭, 文彦, 福島, 恒男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.04.2001
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Summary:67歳女性.左乳癌に対し胸筋温存乳房切除術を1997年3月25日に受け,Stage IIIaでリンパ節転移は陽性であった.術後1年目に肝転移をきたし,肝動注を続け (5FU1500mg48時間持続2週間毎), 8カ月後のCTで肝転移はPRとなったが,右腎転移が発見され,他に転移はなく1999年3月10日右腎摘出術を受けた.肉眼的腫瘍径は約6cmで術後病理診により乳癌腎転移と診断された.術後の経過は全身化学療法を施行したが肝転移の増悪,肺転移の出現で腎摘出後1年2カ月後に死亡した.これまでの臨床例での報告は本例を含め8例のみしか文献的に報告はなく乳癌腎転移の手術例は稀と考えられた.早期診断のために乳癌術後の経過観察には腹部CTなどの検索が重要と思われた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.62.1049