Invasive micropapillary carcinomaの像を呈した浸潤性乳癌の1例

症例は68歳,女性.乳癌検診にて左乳房腫瘍を指摘され,当院を受診した.来院時,左乳房A領域に3×3 cmの硬い腫瘍を触知するも,所属リンパ節腫大・皮膚所見は認めなかった.精査にて乳癌と診断し,乳房円状部分切除術を行った.組織学的には,腫瘍の約40%に,血管茎を伴わない小乳頭状の癌胞巣が,細い線維性間質に境されて増殖するIMPの所見を認めた.リンパ管侵襲を伴っていたが,リンパ節転移は認めなかった. ER・PgRとも陽性であり,現在内分泌療法中である.乳腺IMPの生物学的特徴は未だ不明であり,今後の症例の集積が待たれる....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 65; no. 6; pp. 1496 - 1500
Main Authors 岡本, 康, 炭山, 嘉伸, 作田, 誠, 仲, 威和郎, 桐林, 孝治, 横内, 幸
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 日本臨床外科学会 25.06.2004
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Summary:症例は68歳,女性.乳癌検診にて左乳房腫瘍を指摘され,当院を受診した.来院時,左乳房A領域に3×3 cmの硬い腫瘍を触知するも,所属リンパ節腫大・皮膚所見は認めなかった.精査にて乳癌と診断し,乳房円状部分切除術を行った.組織学的には,腫瘍の約40%に,血管茎を伴わない小乳頭状の癌胞巣が,細い線維性間質に境されて増殖するIMPの所見を認めた.リンパ管侵襲を伴っていたが,リンパ節転移は認めなかった. ER・PgRとも陽性であり,現在内分泌療法中である.乳腺IMPの生物学的特徴は未だ不明であり,今後の症例の集積が待たれる.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.65.1496