壊死型虚血性小腸炎の1例

症例は44歳,男性.平成14年1月に高血圧を指摘され,以後内服薬で加療されていた.平成16年8月15日より間歇性の腹痛あり,近医を受診した.鎮痛剤でも症状軽快しないため, 8月19日当科紹介,同日当科入院となった.保存的治療を行い,一時腹痛の頻度は減少したが8月23日再び強い間歇性の腹痛を認め,腹部CTで腹水および右側小腸腸管壁の連続性浮腫性肥厚を認めたため, 8月23日緊急手術を施行した.約40cmにわたる壊死性変化を伴った回腸を認め,同部位を切除した.病理組織学的診断で壊死型虚血性小腸炎と診断された.術後経過は良好で術後17病日に退院した.虚血性小腸炎は比較的稀な疾患であり,術前診断も難し...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 67; no. 6; pp. 1307 - 1310
Main Authors 竹村, 真一, 菊池, 淳, 長谷川, 康弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.06.2006
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.67.1307

Cover

More Information
Summary:症例は44歳,男性.平成14年1月に高血圧を指摘され,以後内服薬で加療されていた.平成16年8月15日より間歇性の腹痛あり,近医を受診した.鎮痛剤でも症状軽快しないため, 8月19日当科紹介,同日当科入院となった.保存的治療を行い,一時腹痛の頻度は減少したが8月23日再び強い間歇性の腹痛を認め,腹部CTで腹水および右側小腸腸管壁の連続性浮腫性肥厚を認めたため, 8月23日緊急手術を施行した.約40cmにわたる壊死性変化を伴った回腸を認め,同部位を切除した.病理組織学的診断で壊死型虚血性小腸炎と診断された.術後経過は良好で術後17病日に退院した.虚血性小腸炎は比較的稀な疾患であり,術前診断も難しい.本症例でも若年で基礎疾患に乏しかったことから術前には虚血性小腸炎の診断がつかず,術後に診断が確定した.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.67.1307