術後27年目に骨転移・肝転移をきたした乳癌の1例

術後27年目に骨転移,肝転移による再発をきたした症例を経験した.患者は69歳,女性.主訴は腰痛. 42歳時に左乳癌に定型的乳房切断術を受けている.上記主訴にて当院整形外科を受診し,腰椎の病的骨折を疑われCT下骨生検が施行された.病理組織診断で腺癌の骨転移と診断され,婦人科,消化器内科で原発巣の検索がされた後,当科にコンサルトされた.生検材料の免疫染色にてER陽性であり, 27年前の乳癌の晩期転移再発と診断した.全身検索の結果,肝に径3cmの転移巣も認められた.治療は,骨転移に対しては30Gyの放射線照射を行った後,パクリタキセルとアナストロゾールによる化学内分泌療法を施行して,現在NCの状態で...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 66; no. 6; pp. 1281 - 1286
Main Authors 大久保, 雅之, 村田, 透, 寺崎, 正起, 深見, 保之, 坂口, 憲史, 新宮, 優二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.06.2005
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.66.1281

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Summary:術後27年目に骨転移,肝転移による再発をきたした症例を経験した.患者は69歳,女性.主訴は腰痛. 42歳時に左乳癌に定型的乳房切断術を受けている.上記主訴にて当院整形外科を受診し,腰椎の病的骨折を疑われCT下骨生検が施行された.病理組織診断で腺癌の骨転移と診断され,婦人科,消化器内科で原発巣の検索がされた後,当科にコンサルトされた.生検材料の免疫染色にてER陽性であり, 27年前の乳癌の晩期転移再発と診断した.全身検索の結果,肝に径3cmの転移巣も認められた.治療は,骨転移に対しては30Gyの放射線照射を行った後,パクリタキセルとアナストロゾールによる化学内分泌療法を施行して,現在NCの状態である.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.66.1281