透析導入後に著しい高アンモニア血症を呈しportal-systemic shuntが発見された1例

症例は66歳,男性.アルコール性肝障害にて通院中に末期腎不全となり血液透析を開始したところ,高アンモニア血症を伴う意識障害を頻回に認めた.肝性脳症に対する治療に抵抗性を示したため腹部造影CTを施行し,上腸間膜静脈から右腎静脈への短絡路を同定,バルーン閉鎖下逆行性経静脈的塞栓術にて改善した.透析導入後に高アンモニア血症を伴う意識障害を呈する場合, portal-systemic shuntの存在を考慮すべきである....

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 93; no. 8; pp. 1637 - 1638
Main Authors 近藤, 誠, 山本, 裕康, 池田, 雅人, 堀口, 誠, 宇都宮, 保典, 細谷, 龍男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 10.08.2004
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Summary:症例は66歳,男性.アルコール性肝障害にて通院中に末期腎不全となり血液透析を開始したところ,高アンモニア血症を伴う意識障害を頻回に認めた.肝性脳症に対する治療に抵抗性を示したため腹部造影CTを施行し,上腸間膜静脈から右腎静脈への短絡路を同定,バルーン閉鎖下逆行性経静脈的塞栓術にて改善した.透析導入後に高アンモニア血症を伴う意識障害を呈する場合, portal-systemic shuntの存在を考慮すべきである.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.93.1637