腹腔鏡手術から開腹手術へ移行したWinslow孔ヘルニアの1例

術前にWinslow孔ヘルニアの診断にて,腹腔鏡にて整復を試みるも整復困難であり開復に移行した1例を経験したので報告する.症例は,46歳,女性,腹痛と腹部膨満を主訴に来院した.腸閉塞の診断にて入院となり,同日施行したCTにて網嚢内に腸管の存在が疑われた.イレウス管を留置するも改善せず, CTを施行したところ,回腸がWinslow孔を通して網嚢内に逸脱するWinslow孔ヘルニアとの診断が得られた.保存的治療は困難と考え,腹腔鏡下にて整復を試みるも困難であり,開腹に移行した.回腸末端から30~52cmの小腸が22cmに渡りWinslow孔を通して網嚢内に陥入していた. Winslow孔は2横指で...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 67; no. 5; pp. 1125 - 1128
Main Authors 知久, 毅, 田代, 亜彦, 佐野, 渉, 野島, 広之, 岡本, 佳昭, 橋場, 隆裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.05.2006
Subjects
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.67.1125

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Summary:術前にWinslow孔ヘルニアの診断にて,腹腔鏡にて整復を試みるも整復困難であり開復に移行した1例を経験したので報告する.症例は,46歳,女性,腹痛と腹部膨満を主訴に来院した.腸閉塞の診断にて入院となり,同日施行したCTにて網嚢内に腸管の存在が疑われた.イレウス管を留置するも改善せず, CTを施行したところ,回腸がWinslow孔を通して網嚢内に逸脱するWinslow孔ヘルニアとの診断が得られた.保存的治療は困難と考え,腹腔鏡下にて整復を試みるも困難であり,開腹に移行した.回腸末端から30~52cmの小腸が22cmに渡りWinslow孔を通して網嚢内に陥入していた. Winslow孔は2横指であり縫縮を施行しなかった.また,腸管の走行異常は認めなかった.腸管の壊死は認めず,腸切除を行わず用手整復を施行した.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.67.1125