Stage II~IVa胃癌に対する大動脈周囲リンパ節郭清の効果

1988年から1995年までに教室で切除された単発進行胃癌のなかで,重複癌,肝転移例および腹膜播種性転移例を除いた,根治度A, Bであるstage II~IVa症例をD4郭清群32例, D2,3郭清群77例に分け,大動脈周囲リンパ節郭清の効果について検討した. stage II~IIIb症例の5年生存率はD4群では79.5%とD2,3群の55.0%より有意 (p<0.05) に良好であったが, stage IVaではD4群, D2,3群の予後に差はなくその効果を認めなかった. n因子, t因子から検討すると, n1,2 t2,3症例ではD4群が有意に予後良好であった.手術侵襲は, D4群...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 60; no. 8; pp. 2022 - 2026
Main Authors 嘉悦, 勉, 高村, 光一, 山崎, 智巳, 田嶋, 勇介, 小松, 信男, 丸森, 健司, 草野, 満夫, 河村, 正敏, 新井, 一成, 鈴木, 恵史, 長山, 裕之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.08.1999
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.60.2022

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Summary:1988年から1995年までに教室で切除された単発進行胃癌のなかで,重複癌,肝転移例および腹膜播種性転移例を除いた,根治度A, Bであるstage II~IVa症例をD4郭清群32例, D2,3郭清群77例に分け,大動脈周囲リンパ節郭清の効果について検討した. stage II~IIIb症例の5年生存率はD4群では79.5%とD2,3群の55.0%より有意 (p<0.05) に良好であったが, stage IVaではD4群, D2,3群の予後に差はなくその効果を認めなかった. n因子, t因子から検討すると, n1,2 t2,3症例ではD4群が有意に予後良好であった.手術侵襲は, D4群で平均手術時間は有意 (p<0.05) に延長し,平均出血量,平均術後在院日数のいずれも有意差を認めないものの多量,長期であった. stage II~IIIb胃癌に対する大動脈周囲リンパ節郭清はt2,3かつn2症例では効果があり,適応となり得ると思われた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.60.2022