胃平滑筋肉腫の異時性孤立性肝転移に対し,肝切除にて長期生存を得た1例
症例は64歳の女性.平成1年11月20日,胃平滑筋肉腫に対して胃全摘術,脾摘術,リンパ節郭清術施行.術後4年半経過した平成6年6月,腹部US, CTにおいて肝左葉に単発性で径3cm大の異常陰影を認めた.手術をすすめるも拒否され,肝動注療法をくり返した.当初縮小した腫瘍が再び増大傾向となったため手術承諾され,平成7年3月14日,肝左葉切除術施行した.病理組織学的には胃平滑筋腫の肝転移であった.現在術後約4年を経過しているが,再発,転移を認めていない. 胃平滑筋肉腫の肝転移は,多発性で発見されることが多いために予後不良といわれているが,本症例の経験より,術後の画像診断による定期的follow up...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 60; no. 7; pp. 1878 - 1882 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
25.07.1999
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Subjects | |
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ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.60.1878 |
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Summary: | 症例は64歳の女性.平成1年11月20日,胃平滑筋肉腫に対して胃全摘術,脾摘術,リンパ節郭清術施行.術後4年半経過した平成6年6月,腹部US, CTにおいて肝左葉に単発性で径3cm大の異常陰影を認めた.手術をすすめるも拒否され,肝動注療法をくり返した.当初縮小した腫瘍が再び増大傾向となったため手術承諾され,平成7年3月14日,肝左葉切除術施行した.病理組織学的には胃平滑筋腫の肝転移であった.現在術後約4年を経過しているが,再発,転移を認めていない. 胃平滑筋肉腫の肝転移は,多発性で発見されることが多いために予後不良といわれているが,本症例の経験より,術後の画像診断による定期的follow upにより早期診断,早期治療による予後の改善が望めることが確認された. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.60.1878 |