難治性気胸に対する局所麻酔併用硬膜外麻酔下の胸腔鏡下手術

今回われわれは,難治性気胸に対して硬膜外麻酔と局所麻酔の併用下に胸腔鏡下手術を行い,良好な結果を得たのでその有用性について検討し報告する.対象は1993年から2002年までに経験した難治性気胸17例で男性15例,女性2例で,年齢は平均62.8歳であった.いずれの症例も重篤な呼吸器基礎疾患を有していた.手術方法は,難治性気胸のair leak部を胸腔鏡所見から3型に分類し, I型(表面平坦気瘻型), II型(表面軽度隆起気瘻型)に対してはPGAシートとフィブリン糊によりair leak部の被覆を行い, III型(表面隆起気瘻型)に対してはENDOAUTOSUTUREにより隆起部の基部を縫合しPG...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 66; no. 8; pp. 1827 - 1831
Main Authors 辻, 和宏, 清水, 信義, 安藤, 陽夫, 佐野, 由文, 池田, 宏国, 斉藤, 誠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.08.2005
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.66.1827

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Summary:今回われわれは,難治性気胸に対して硬膜外麻酔と局所麻酔の併用下に胸腔鏡下手術を行い,良好な結果を得たのでその有用性について検討し報告する.対象は1993年から2002年までに経験した難治性気胸17例で男性15例,女性2例で,年齢は平均62.8歳であった.いずれの症例も重篤な呼吸器基礎疾患を有していた.手術方法は,難治性気胸のair leak部を胸腔鏡所見から3型に分類し, I型(表面平坦気瘻型), II型(表面軽度隆起気瘻型)に対してはPGAシートとフィブリン糊によりair leak部の被覆を行い, III型(表面隆起気瘻型)に対してはENDOAUTOSUTUREにより隆起部の基部を縫合しPGAシートとフィブリン糊による被覆を行った.手術成績は, 17例中16例 (94.1%) が治癒し,手術に関する合併症も認めなかったことから難治性気胸に対して本治療法は有用であると考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.66.1827