胃上部癌に対する噴門側胃切除,食道胃管吻合の術後胃排出能とQOL
胃上部癌に対して噴切後,食道胃管吻合を施行した15例を対象とした.年齢は47~81歳,男性12例,女性3例であった.手術適応はEC-junction近傍の早期癌やhigh risk症例でU領域を占拠する進行癌とした.リンパ節は(1), (2), (3), (7)番のみ郭清し,胃管の長さは約20~25cmとした.術後のQOLとして経口摂取量の変化,体重の推移,臨床症状の有無,内視鏡所見,排出能を検討した.退院時,経口摂取量は術前の50~85%,体重は術前の80%まで低下したが術後1年目には15例中8例が術前のレベルに回復した.食後のつかえ感は1例にみられたが,胸やけやDumping症状は認めなか...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 64; no. 5; pp. 1043 - 1046 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
25.05.2003
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Subjects | |
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ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.64.1043 |
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Summary: | 胃上部癌に対して噴切後,食道胃管吻合を施行した15例を対象とした.年齢は47~81歳,男性12例,女性3例であった.手術適応はEC-junction近傍の早期癌やhigh risk症例でU領域を占拠する進行癌とした.リンパ節は(1), (2), (3), (7)番のみ郭清し,胃管の長さは約20~25cmとした.術後のQOLとして経口摂取量の変化,体重の推移,臨床症状の有無,内視鏡所見,排出能を検討した.退院時,経口摂取量は術前の50~85%,体重は術前の80%まで低下したが術後1年目には15例中8例が術前のレベルに回復した.食後のつかえ感は1例にみられたが,胸やけやDumping症状は認めなかった.内視鏡検査では逆流性食道炎を12例中3例に認めたが保存的に軽快した.残胃炎や胃石は認めなかった.噴切症例の排出能は墜落型のパターンを呈した.胃上部癌に対する噴切後の大彎側胃管を用いた再建法は手術手技も簡便であり,術後のQOLも良好に保たれていた. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.64.1043 |