虫垂重積を先進部とする結腸重積をきたした虫垂原発villous tumorの1例

症例は48歳,女性,悪性関節リウマチの治療中に,反復する右上腹部痛が出現し,腹部CT検査,注腸造影検査で回盲部を先進部とする結腸重積症と診断した.大腸内視鏡検査では結腸重積は解除されており,虫垂の盲腸への不完全重積を認めた.重積部に絨毛様病変を認め,生検は高度異型を伴う絨毛腺腫であった.虫垂原発villous tumorによる虫垂重積症の診断で回盲部切除術を施行した.病理組織検査では高度異型を伴う腺管絨毛腺腫であった. 虫垂原発villous tumorは半数以上に虫垂重積症を合併しており,虫垂切除術のみでは切除断端を陰性にすることは困難と思われる.さらに62%という高い癌併存率を考えると,リ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 66; no. 5; pp. 1094 - 1098
Main Authors 冨木, 裕一, 石引, 佳郎, 前多, 力, 坂本, 一博, 渡部, 智雄, 鎌野, 俊紀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.05.2005
Online AccessGet full text
ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.66.1094

Cover

More Information
Summary:症例は48歳,女性,悪性関節リウマチの治療中に,反復する右上腹部痛が出現し,腹部CT検査,注腸造影検査で回盲部を先進部とする結腸重積症と診断した.大腸内視鏡検査では結腸重積は解除されており,虫垂の盲腸への不完全重積を認めた.重積部に絨毛様病変を認め,生検は高度異型を伴う絨毛腺腫であった.虫垂原発villous tumorによる虫垂重積症の診断で回盲部切除術を施行した.病理組織検査では高度異型を伴う腺管絨毛腺腫であった. 虫垂原発villous tumorは半数以上に虫垂重積症を合併しており,虫垂切除術のみでは切除断端を陰性にすることは困難と思われる.さらに62%という高い癌併存率を考えると,リンパ節郭清を伴う術式も考慮すべきと考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.66.1094