中部胆管癌切除後PTBD瘻孔部再発の1例

胆道系悪性腫瘍の切除後再発形式の一つにPTBD瘻孔への播種性転移があるがその切除例の報告は少ない.今回腹壁切除,肝部分切除にて切除し得た1例を経験したので,本邦報告例の集計を加え報告する.症例は75歳,男性.結節型中部胆管癌にてPTBD施行後40日目にPpPDを施行した.組織学的には中分化型管状腺癌,深達度ss, n(-) であった.7カ月後血清CA 19-9の軽度上昇と共にUSにてPTBD瘻孔瘢痕直下に低エコー腫瘤を認めた. CTでは腹壁から肝S3 にかけて造影効果のない低吸収域腫瘤を認めた. PTBD瘻孔への播種性転移と診断し腹壁切除,肝S3切除を施行した.切除標本ではPTBD瘻孔瘢痕に一...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 60; no. 6; pp. 1618 - 1622
Main Authors 坂本, 英至, 寺崎, 正起, 久納, 孝夫, 岡本, 恭和, 神谷, 諭, 小林, 聡, 佐野, 秀樹, 篠原, 剛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.06.1999
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Summary:胆道系悪性腫瘍の切除後再発形式の一つにPTBD瘻孔への播種性転移があるがその切除例の報告は少ない.今回腹壁切除,肝部分切除にて切除し得た1例を経験したので,本邦報告例の集計を加え報告する.症例は75歳,男性.結節型中部胆管癌にてPTBD施行後40日目にPpPDを施行した.組織学的には中分化型管状腺癌,深達度ss, n(-) であった.7カ月後血清CA 19-9の軽度上昇と共にUSにてPTBD瘻孔瘢痕直下に低エコー腫瘤を認めた. CTでは腹壁から肝S3 にかけて造影効果のない低吸収域腫瘤を認めた. PTBD瘻孔への播種性転移と診断し腹壁切除,肝S3切除を施行した.切除標本ではPTBD瘻孔瘢痕に一致して腹直筋および肝S3に浸潤する転移巣を認めた.術後6カ月の現在再発兆候なく生存中である.胆道癌術後はPTBD瘻孔部再発も念頭において経過観察を行うべきである.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.60.1618