摘出後局所再発をきたした精索脂肪肉腫の1例

今回われわれは比較的稀な精索原発脂肪肉腫を経験したので報告する. 症例は70歳,男性. 1997年5月,右内鼠径ヘルニアに対しiliopubic tract repairを施行された. 2000年4月,右鼠径部腫脹を主訴に受診.再発鼠径ヘルニアと診断し,同年10月手術を施行した.術中ヘルニア嚢は認めず,精索に沿い陰嚢内まで連なる腫瘍を認めたため,右精巣とともに切除し,病理組織検索により脂肪肉腫と診断した.術後補助療法として放射線療法を行ったが局所再発をきたし,翌年1月,腫瘍を周囲腹壁とともに切除し,メッシュによる腹壁再建を施行した.病理組織検索で脂肪肉腫の再発を認めた. 精索原発脂肪肉腫は脂肪...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 63; no. 6; pp. 1551 - 1554
Main Authors 松田, 眞佐男, 水野, 敬輔, 山口, 淳平, 三宅, 秀夫, 木村, 賢哉, 弥政, 晋輔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.06.2002
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.63.1551

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Summary:今回われわれは比較的稀な精索原発脂肪肉腫を経験したので報告する. 症例は70歳,男性. 1997年5月,右内鼠径ヘルニアに対しiliopubic tract repairを施行された. 2000年4月,右鼠径部腫脹を主訴に受診.再発鼠径ヘルニアと診断し,同年10月手術を施行した.術中ヘルニア嚢は認めず,精索に沿い陰嚢内まで連なる腫瘍を認めたため,右精巣とともに切除し,病理組織検索により脂肪肉腫と診断した.術後補助療法として放射線療法を行ったが局所再発をきたし,翌年1月,腫瘍を周囲腹壁とともに切除し,メッシュによる腹壁再建を施行した.病理組織検索で脂肪肉腫の再発を認めた. 精索原発脂肪肉腫は脂肪肉腫の4~7%と稀である.診断には組織学的検索が必須であり,外科的切除がもっとも有効な治療法である.また,再発形式としては局所再発が多く,広範切除と注意深い経過観察が必要である.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.63.1551