内分泌学的異常, Adams Stokes様発作,心膜液貯留,脳萎縮を伴った神経性食欲不振症の1男性例
症例は21才男性.減量を目的に6カ月間に約50kg体重を減少させ,全身倦怠感,意識消失発作を来したため入院となった.入院時,心電図上心拍数36回/分の洞性徐脈を認め,心エコーでは心膜液貯留を認めた.また頭部CTスキャンでは脳萎縮を認めた.血液検査では甲状腺機能検査においてlow T3 syndromeを呈し,さらに経過中, GH値の高値,一過性のGOT, GPT値の上昇等を認めた.本症例は著しい体重減少をきたしているものの,入院時,標準体重を示していることから,我国における神経性食欲不振症の診断基準にあてはまらないが,臨床経過等を総括すると,多彩な臨床症状を呈した神経性食欲不振症の男性例と考え...
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Published in | 日本内科学会雑誌 Vol. 77; no. 9; pp. 1417 - 1420 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本内科学会
1988
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ISSN | 0021-5384 1883-2083 |
DOI | 10.2169/naika.77.1417 |
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Summary: | 症例は21才男性.減量を目的に6カ月間に約50kg体重を減少させ,全身倦怠感,意識消失発作を来したため入院となった.入院時,心電図上心拍数36回/分の洞性徐脈を認め,心エコーでは心膜液貯留を認めた.また頭部CTスキャンでは脳萎縮を認めた.血液検査では甲状腺機能検査においてlow T3 syndromeを呈し,さらに経過中, GH値の高値,一過性のGOT, GPT値の上昇等を認めた.本症例は著しい体重減少をきたしているものの,入院時,標準体重を示していることから,我国における神経性食欲不振症の診断基準にあてはまらないが,臨床経過等を総括すると,多彩な臨床症状を呈した神経性食欲不振症の男性例と考えられた. |
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ISSN: | 0021-5384 1883-2083 |
DOI: | 10.2169/naika.77.1417 |