両側乳癌の第2癌として発生した乳腺carcinoidの1例

異時性両側性乳癌の第2癌としての乳腺カルチノイドの1例を経験したので文献的考察を加え,報告する.症例は50歳,女性.昭和57年,右乳癌と診断され他院にて手術を受けた.同時期より,左乳房D, E領域に腫瘤を自覚していたが,諸検査において悪性所見はなく,経過観察とされた.その後,腫瘤は徐々に増大してきた. H14年5月,前胸部の打撲により乳頭から腫瘤が露出したが, 9月に当科を受診するまで放置していた.初診時,左乳頭はカリフラワー状に隆起していた.乳房外上部にも転移性のリンパ節と思われる腫瘤を認めた.細胞診により乳癌と確診し,胸筋温存乳房切除術を施行した.病理組織学的診断は乳腺カルチノイドで,クロ...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 64; no. 8; pp. 1847 - 1850
Main Authors 平田, 公一, 三神, 俊彦, 大村, 東生, 稲福, 慶子, 鈴木, やすよ
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 25.08.2003
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.64.1847

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Summary:異時性両側性乳癌の第2癌としての乳腺カルチノイドの1例を経験したので文献的考察を加え,報告する.症例は50歳,女性.昭和57年,右乳癌と診断され他院にて手術を受けた.同時期より,左乳房D, E領域に腫瘤を自覚していたが,諸検査において悪性所見はなく,経過観察とされた.その後,腫瘤は徐々に増大してきた. H14年5月,前胸部の打撲により乳頭から腫瘤が露出したが, 9月に当科を受診するまで放置していた.初診時,左乳頭はカリフラワー状に隆起していた.乳房外上部にも転移性のリンパ節と思われる腫瘤を認めた.細胞診により乳癌と確診し,胸筋温存乳房切除術を施行した.病理組織学的診断は乳腺カルチノイドで,クロモグラニン陽性, ER陽性, PgR陽性であり,腋窩リンパ節転移も認めた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.64.1847