構音の汎化に難渋した機能的構音障害の1症例
機能的構音障害の治療は一般的に,いわゆる系統的訓練を経て正しい構音操作が日常汎化される経過をたどるといわれている.筆者はカ行がタ行に置換した機能的構音障害児で,会話レベルでの汎化に難渋した症例を経験した.特にこの症例は日常の会話や行動特徴,およびP-Fスタディの結果から,対人関係の場面認知に問題があることが推察された.そこで構音操作の反復ドリルのみでなく,日常生活場面や,友人家族関係への注意の喚起を意図した課題を導入した.この結果,本症例の対人関係が改善するにつれ,正しい構音が日常汎化された....
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Published in | 聴能言語学研究 Vol. 8; no. 3; pp. 139 - 143 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本コミュニケーション障害学会
1991
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ISSN | 0912-8204 1884-7056 |
DOI | 10.11219/jjcomdis1983.8.139 |
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Summary: | 機能的構音障害の治療は一般的に,いわゆる系統的訓練を経て正しい構音操作が日常汎化される経過をたどるといわれている.筆者はカ行がタ行に置換した機能的構音障害児で,会話レベルでの汎化に難渋した症例を経験した.特にこの症例は日常の会話や行動特徴,およびP-Fスタディの結果から,対人関係の場面認知に問題があることが推察された.そこで構音操作の反復ドリルのみでなく,日常生活場面や,友人家族関係への注意の喚起を意図した課題を導入した.この結果,本症例の対人関係が改善するにつれ,正しい構音が日常汎化された. |
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ISSN: | 0912-8204 1884-7056 |
DOI: | 10.11219/jjcomdis1983.8.139 |