乳腺原発の腺様嚢胞癌の1例
腺様嚢胞癌の1例を経験したので,文献的考察を加え報告する.症例は53歳,女性で,左乳腺のC領域に腫瘤を触知し,近医より当院へ紹介された.左C領域に2cm大の弾性硬で, Dimpling sign陽性の腫瘤を認めた.マンモグラフィにて辺縁が微細分葉の高濃度の腫瘤を確認し,超音波検査では内部が不均一で低エコーの腫瘤像形成性病変を認めた. ABCにてclass Vと診断され,乳癌の診断にて乳房温存手術(Bp+Ax, level I)を施行した.病理組織所見では,腫瘍は嚢胞状の部分と充実性の部分を持ち,さらに腺上皮細胞群と筋上皮細胞群の2種類の細胞群が主体をていた.偽嚢胞内の粘液はAlcian blu...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 66; no. 8; pp. 1855 - 1859 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
25.08.2005
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Subjects | |
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ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.66.1855 |
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Summary: | 腺様嚢胞癌の1例を経験したので,文献的考察を加え報告する.症例は53歳,女性で,左乳腺のC領域に腫瘤を触知し,近医より当院へ紹介された.左C領域に2cm大の弾性硬で, Dimpling sign陽性の腫瘤を認めた.マンモグラフィにて辺縁が微細分葉の高濃度の腫瘤を確認し,超音波検査では内部が不均一で低エコーの腫瘤像形成性病変を認めた. ABCにてclass Vと診断され,乳癌の診断にて乳房温存手術(Bp+Ax, level I)を施行した.病理組織所見では,腫瘍は嚢胞状の部分と充実性の部分を持ち,さらに腺上皮細胞群と筋上皮細胞群の2種類の細胞群が主体をていた.偽嚢胞内の粘液はAlcian blue陽性で,腺腔内はPAS陽性を示し腺様嚢胞癌と診断された.免疫組織化学染色でActinとS-100が陽性を示し,その発生には筋上皮細胞が大きく関与していることが推測された. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.66.1855 |