金属ステント挿入後の再狭窄に対してDumon ステントを留置した外傷性気管狭窄の1例

32歳, 女性, ハンドル外傷によって頚部~胸部気管に約5cmにわたり損傷を受け, それによって生1じた外傷性気管狭窄に対して, 受傷6日後に金属ステントexpandabl emetallic stent (EMS) を挿入した.挿入直後より呼吸困難は著明に改善したが, 9日後の気管支ファイバーで金属ステントの隙間から肉芽増殖を認め, それと同時に呼吸困難も増悪した.過剰肉芽を週一回, 高周波で焼灼切除したが, 金属ステント挿入後32日目に気道閉塞を生じ気管内挿管を行い, 20日後に全身麻酔下にてDumonステントを留置した.Dumonステント留置直後に麻酔器から離脱し呼吸困難も消失した.退院...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 11; no. 1; pp. 49 - 54
Main Authors 真崎, 義隆, 石井, 庸介, 笹井, 巧
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 15.01.1997
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.11.49

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Summary:32歳, 女性, ハンドル外傷によって頚部~胸部気管に約5cmにわたり損傷を受け, それによって生1じた外傷性気管狭窄に対して, 受傷6日後に金属ステントexpandabl emetallic stent (EMS) を挿入した.挿入直後より呼吸困難は著明に改善したが, 9日後の気管支ファイバーで金属ステントの隙間から肉芽増殖を認め, それと同時に呼吸困難も増悪した.過剰肉芽を週一回, 高周波で焼灼切除したが, 金属ステント挿入後32日目に気道閉塞を生じ気管内挿管を行い, 20日後に全身麻酔下にてDumonステントを留置した.Dumonステント留置直後に麻酔器から離脱し呼吸困難も消失した.退院後約1年経過観察しているがステントの脱落, 再狭窄もなく日常生活に復帰している.近年, 気管気管支の狭窄に対して各種ステントが使用されているが, 良性疾患に対する使用例は少なく, 本症例のように外傷性気管狭窄に対する使用の報告例はない.ステントの長期間留置例の報告も少なく, 今後長期間にわたる経過観察が必要と思われる.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.11.49